メガスターFAQ(暫定版)

よくある質問と答えをまとめてみました(順次追加してゆきます)

2005年4月記
2006年5月 修正
2006年9月 追加修正
 文責・大平貴之

メガスターとは何ですか? 大平が開発したプラネタリウムシリーズの名前です。100万個以上の星を投影できる投影機という意味で名づけられています。(メガスター1型以降、大平が製作した光学式プラネタリウムはすべて、メガスターシリーズです)
フェニックスとかミネルヴァとか名前がついていますが、これは何ですか? メガスターIIは、現在4台(2005年4月現在)ありますが、それぞれの投影機を区別するため愛称をつけています。1号機がフェニックス、2号機がミネルヴァ、3号機がコスモス、4号機がタイタンとなっています。この愛称は、基本的には大平所有もしくは、特殊なパートナー関係にある施設に納入したものに対し、協議して命名することになっています。メガスターIIは同型といっても、各機にそれぞれ細かい仕様の違いがあります。それぞれの持ち味を楽しんでくださいね。
メガスター1とメガスター2の違いは何ですか? 投影できる星の数、投影できるドームの大きさ、機能が違います。メガスタ−1は、200万個の星を投影でき(2005年4月現在)、投影できるドーム直径は10mです。メガスターIIは、410万個から560万個の星を投影でき、最大25mのドームまで投影可能です。この点ではメガスターIIの方が性能が優れていますが、メガスター1では、本体に朝夕の投影装置が内蔵されていたり、本体の方位を自由に変えられる方位軸、任意の惑星から見た星空を投影できるなど、メガスターIIについていない機能もあって、それぞれ使い分けられています。
すべて一人で作っているというのは本当ですか? 2004年まではすべて一人でした。メガスターIIの1号機フェニックスまでは完全に一人でした。その後は、アシスタントが入ったり、臨時のアルバイトなどが入ることもあり、今日に至っています。これからスタッフは少しずつ増えていくことになるでしょう。
小型なのに他のプラネタリウムよりもはるかに高性能というのは本当ですか? プラネタリウムは、いくつもの会社が目的に応じた様々な機種を製作していますので、すべてを同一の尺度で優劣を判断することは、バスと乗用車を比較するようなものです。ただし、メガスターは、投影できる星の数が在来のものに比べて飛躍的に多く、従来の光学式プラネタリウムに比べ、300倍から千倍にも達します。これは、夜空にあるより微かな、より遠方の星までも忠実に再現できる事であり、メガスターの最大の特長と言っていいでしょう。また、小型軽量で持ち運びできるため、在来のプラネタリウムと違う使い方ができるのも、同じく優位点です。しかし何より大切なことは、何が優れているかを見極めるのは私たち、製造者ではなく、実際にお金を払ってご覧になる皆さんだということです。皆さん自身の目で、メガスターの星空をじっくりと堪能してみてください。
メガスターはどこで見られますか? 現在、恒久常設しているのは日本科学未来館のドームシアターガイアです。休館日以外、毎日公開しています。また、川崎市青少年科学館では、年間契約(2006年3月まで)ですが、毎日公開しています。また、2005年9月まで、愛知博ささしまサテライト事業「デ.ラ.ファンタジア」でも公開していました。それ以外にも、さまざまなイベントなどで公開されますので、メガターを見るチャンスはいろいろあります。どこで見られるかという情報は、このトップページやメガスターニュース、あるいはメガスターメールマガジン(メガマガ)などでお知らせしていますのでご利用ください。
オーロラもメガスターから映せるんですか? メガスター本体(恒星投影機)が投影するのは恒星のみです。惑星や太陽、その他の天体は専用の装置(惑星投影機など)を使って投影しています。オーロラなども上映することがありますが、あれも別の装置で投影しています。これを、OGDS(仮称)と呼んでいます。最近、大平が開発した、コンピュータグラフィックスを、ドーム全体に投影する装置で、メガスター本体にない機能を補い、メガスターをさらに性能アップできる装置です。コンピュータグラフィックスによる投影はこれからますます重要になり、メガスターに欠かせないものになってきています。演出も幅広くなってゆきますのでどうぞご期待下さい。
非常に正確な星の位置を再現していると聞いたのですが? メガスターで使用している恒星データは、ヨーロッパの宇宙機関から公開されている非常に精度の高い電子データです。これを専用の装置を使って恒星原板に焼き付けて投影しています。ですから星の位置や明るさは極めて正確になります。ただ、現実には、投影機の調整誤差や、ドームスクリーンの誤差などで、星の位置にずれが生じることがあります。大平は、できるだけ正確になるように心がけています。また、天の川付近は、この恒星データだけでは不十分なことから、天体写真の画像から、特殊なソフトウエアを使って星の位置や明るさを抽出したものも使っています。このデータの精度は、ヨーロッパのものに比べると若干落ちてしまいます。
星の明るさは正確なんですか? 星の明るさは物理的に定義されていて、1等星、2等星などと決まっています。これは特殊な測定器などで計ることができます。この明るさは、一定の比率(1等級あたり約2.5倍)で、ポグソン則などと呼ばれていますが、メガスターは、原則としてこの法則に忠実になるように作られています。そうした意味でメガスターの星の明るさは極めて高精度といえます。
但し、実際の上映では、全体的に星の明るさを本物よりも強く投影することも行われます。それは、昼間では暗闇に目が慣れるのに時間がかかること、ドーム座席のレイアウトなどによって、本物よりも暗く見えやすいこと、演出上の事情、などによります。つまり本来は正確さを有していますが、実際の投影では、臨機応変な設定がなされているということです。
山奥で見た本物の星空よりもたくさんの星が見える気がするのですが? 上の質問と少し答えが重なりますが、これは星の明るさを本物よりも明るく設定していることによります。たとえば星の明るさを本物の10倍程度(直径15mのドームで投影する場合)に設定しているメガスターIIの場合、1等星から12等星まで、すべての星が本物よりも10倍の明るさで輝くわけです。10倍という比率は、等級でいうと2.5等級の差に相当します。つまり、本物の星空で肉眼で見える最も暗い星が6.5等級とすると、メガスターIIでは、6.5+2.5=9.0等級までの星が肉眼で見えることになるわけです。ただしこれはドームの中心から見た場合の話で、座席がドームの端になると、距離によりこの数字が変わってきます。遠方側はそれほど暗い星は見えなくなりますし、近い側はさらに暗い星が肉眼で見えてきてしまうことになります。これが、本物の夜空よりも暗い星が見える理由と考えています。
メガスターは星が多すぎて星座の勉強に向かないと聞いたのですが? そんなことはありません。あくまでメガスターが再現する星が多いのは、肉眼で見えない微かな星を追求しているからであって、星座を形成する星は、他のプラネタリウムとも変わらないからです。メガスターの基本理念は、本物の夜空に限りなく近づける事です。いいかえると、メガスターで星座が見つけにくいと感じるのは、空気の澄んだ、街明かりのない土地で星空を見たとき、星がたくさんっ見えすぎて星座がわかりにくくなるのと、全く同じことなのです。もし星座を簡単に見つけたいときは、投影する出力を落としたり、わずかに照明を使って街明かりや空気の汚れと同様の現象を人工的に作り出しますと、暗い星がぐっと減って、星座が見つけやすくなります。さまざまな環境で星座を探し、学ぶことができるのもメガスターの特長です。
特許はとっていますか? メガスターに関連していくつかの特許を出願、または保有しています。また、「メガスター」という名称は大平貴之の登録商標になっています。
メガスターと同じようなものはなぜ他の会社から作られないのですか? おそらく重視するポイント、目的の違いもあると思われますが、本当の所は分かりません。逆に、大平がメガスターを生み出せたのは、プラネタリウムの総合技術を個人で開発・保有したことで、それを自在に駆使して特長のある開発ができたためと思います。プラネタリウムで100万個もの星を再現する発想自体が極めて特異だったと思いますが、大平は、これがリアルな星空を再現するのに必要と信じて開発を進めました。一概には言えませんが、こうした突飛な着想を具現化することは、多くのスタッフの賛同を得なければならない組織ではかえって難しいのかもしれません。また、メガスターの命は恒星原板という部品ですが、高精度の恒星原板を自力で製作するための開発を長年積み重ねてきたことで、大手メーカーにもまねのできない独自技術を開拓するに至りました。
なお、他社製としては、唯一、ソニーが開発したスタープロジェクターがありますが、これは大平の技術ライセンスを受け、大平自身も、当時、ソニーに所属して開発に加わって作り上げられたものです。
大平さんが星に興味をもったきっかけは? それがよく覚えていないのです。子供のころは、星や天文というよりも、科学全般に興味を持っていました。小学校低学年の頃は植物や紙工作、高学年の頃は化学実験、中学生の頃は鉱物採集や写真。。のような感じです。天文に興味を持ったのは小学校高学年の頃でしたが、これといった強烈な出会いはどうも思い出せず、テレビで放送していたカールセーガン博士の「コスモス(宇宙)」という科学番組や、当時起きた惑星直列などが思い出されます。あと、アニメの宇宙戦艦ヤマトjは大好きでしたから、これの影響が一番大きいのかもしれません。ともかく、子供の頃は数ある興味あることのひとつで、今のようにプラネタリウムつくりに集中するようになったのは、高校生以降のことです。
プラネタリウムは本来は教育機器のはずですが、メガスターは娯楽や、ヒーリング、商業的な演出など、教育以外の目的に多く使われているように思います。教育を軽視しているのではありませんか? まず第一に、大平は、プラネタリウムを教育以外の目的に使ってはならないとは考えていません。教育が重要な用途であると同時に、娯楽や空間演出など、さまざまな用途があってよいはずです。科学教育からエンターテインメント、そして今想定できないような新しい用途まで、幅広い応用を常に模索しています。

まずそれを置いた上で、メガスターの科学教育的意義について説明します。
確かに、これまでメガスターは商業的な演出や音楽とのタイアップなど、科学や教育には焦点を置かない使い方も数多くなされ、星空を勉強するより楽しむ、という見せ方も多くしてきました。教育よりも娯楽、というイメージが広まったことで、反教育的とお叱りを頂くこともあります。しかし、メガスターIIを常設している川崎市青少年科学館や日本科学未来館では、メガスターを使って学習投影をはじめ教育や、科学を正面から見つめた上映もされています。また、メガスターの多くの上映では星座の説明がほとんどない場合が多く、教育的でないのでは、とのご指摘もありますが、星座をたどることだけが教育ではないと思いますし、メガスターが伝えられることは、宇宙に無数の星が存在すること、壮大な宇宙のスケール感を見たままに伝えることです。これはまさに宇宙科学教育の一歩になりえると思います。また、科学や宇宙に関心を持たないはずの人達が、メガスターの星空を見て、宇宙の姿に感動し、宇宙や科学に関心を持ってくれるようになっている例を数え切れないほど見ています。自然科学を学ぶきっかけとして、自然のしくみや神秘に感動することは極めて重要なことだと考えます。メガスターが映し出す星空は人工物ではありますが、本物の星空が持つ質感や、感動要素を含んでおり、メガスターの星空をもとに科学に関心を持つ人達が増えていく。時に”教育的”でない内容だからこそお客さんが興味を持ってくれ、彼らが星空や宇宙のしくみに興味を持ち、学ぶ意欲を持ちはじめる。そんな効果もあると思うのです。
メガスターの購入は可能ですか? 2006年9月現在、新規受け付けを停止しております。
可能ですが、現在、生産やメンテナンス能力に限界がありますから、条件を限定させていただいています。基本的には、星の数により扱いを分けています。星数10万個未満のタイプの恒星投影機および映像システム(メガスターではない)は、ご要望に応じて製造j販売が可能です。一方、星数100万個以上の上位タイプは、法人のみを対象に、上映や、運営方法、今後のサポート体制などを伺った上で、相互協力契約を締結した上で販売を検討させていただくことになります。これは、メガスターを保有し、公開する方には、いずれも、最高の形でお客さまに公開していただきたいという願いからです。メガスターの購入に興味ある方は、メール等でお問い合わせ下さい。また、メガスターほどの星空は無理ですが、家庭用の簡単なタイプも、販売を予定しています。(セガトイズ製 ホームスター)
移動公演を頼みたいのですが? 2006年9月現在、新規受け付けを停止しております。
講演会を頼みたいのですが? 2006年9月現在、新規受け付けを停止しております。
移動公演などの受付をしていないとのことですがなぜですか?たった30分の話をすることもできないのですか? 本来、受け付け停止は本意ではありません。しかしすでに予定が入っている移動公演、研究開発その他の業務で予定がびっしり入ってしまっておりあらたにお受けすることが物理的に困難のためです。現在、非常に多くのかたに関心頂いていることは理解していますが、最初にお話を伺うだけでも、たとえ30分でも、大平本人が対応しなければならず、しかも多くの方に応対するとなれば膨大な時間となり、現在の業務を著しく妨げてしまいます。また、移動公演の決定には、スケジュールのみならずコストや内容、環境条件など綿密な打ち合わせと、機器の整備を必要とします。現在、メガスターの整備と運用ができるのは大平貴之本人のみで、非常に多忙の中、時間的に余裕がない状態で無理にお受けしますと、せっかくの公演が内容面で満足いただけない結果につながるばかりか、機器のトラブルによる上映停止や、最悪の場合は大きな事故により人命や財産に危害が及ばないとも限らず、こういうリスクを抱えた形で仕事をお受けできないのは、当然のことです。もちろん、この先、より多くの仕事をお受けできるようにしたいと考えていますが、そのためにも、当面、新たな仕事をお受けするよりも、より運用しやすい機器の開発や改良、人材補充や体制強化が先決であると考え、そういった業務に集中することにしているのです。
プレゼントを渡したいのですが 誠に申しわけありませんが、ファンの方からプレゼントの類は一切受け取らないことになりました。それは、せっかく品物を頂いても、どなたからいただいたものか?どういったものか?など仕分けできる状態でなく、また公演会場などでは運べる荷物に余裕が無いことが多いです。そういう不完全な状態で大切な品物を受け取ることは、かえって申し訳ない気持ちになってしまいます。一人の方から受け取ればほかの方もお断りするわけにもいきませんし、結果的に品物の管理などで関係ないイベント主催者や施設関係者に迷惑をかけてしまう事もあります。したがって、誠に申しわけありませんが、プレゼントの類は、ご遠慮いただけますようお願いいたします。大平にお渡しいただいても、受け取ることはありませんし、他のスタッフに預けられることも遠慮いただきたいのです。無理にお渡しいただいても、大平の手元に渡らず、処分させていただくことになります。非常に申しわけないことですが、何卒ご了承下さい。応援のお気持ちは大変嬉しく思いますが、それを形ある品物として渡していただくことが結果的に良いとは限らないのです。大平の望みはあくまで何より理想に近いメガスター上映を行い、皆さんに喜んでいただくことにあります。つきつめれば、最高のメガスターを作ることに集中でき、結果に結びつくこと。それが大平にとっての最大の利益にもなるのです。